油彩画の展開
マネ、モネ、ゴッホ
東京藝術大学COI拠点では、紙や絹を用いて開発してきたクローン文化財の複製技術を応用し、油彩画のクローン文化財制作にも取り組んでいる。
これまでに、オルセー美術館などが所蔵する油彩画の高精細撮影を実施し、取得したデジタル画像データを用いて、世界の名画と謳われる油彩画のクローン文化財25点を制作した。独自の技術によって、色彩だけでなく表面の凹凸や経年変化による絵具の亀裂など、細部までをも忠実に再現し、質感を伴う高精細複製により作品本来の魅力を伝えようと努めている。
さらに、作品に描かれた世界の立体化、VRや映像の新技術を活用した作品展示など、クローン文化財に付随するコンテンツを同時に制作することで、作品に関する新たな魅力の発見を促すような、これまでにない作品鑑賞体験を提示する試みを続けている。