アフガニスタン バーミヤン東大仏 仏龕天井壁画
2001年3月、戦争の最中、バーミャン遺跡の大仏が爆破される映像がテレビで報道された。巨大な文化財の破壊という衝撃的な映像を、どこか遠い出来事かのような文面や写真ではなくリアルタイムの動画で目の当たりにしたことは、多くの人々の記憶に残る大変ショッキングな出来事であった。
現在バーミャン遺跡の東大仏は破壊され天井壁画も失われているが、我々は、その仏龕の天井に描かれていたバーミャンの象徴でもある≪天翔ける太陽神≫を復元することに取り組んだ。
各国が失われたバーミャンの復元に挑むなか、オリジナルに近い約7m四方という、実寸大に近い大きさでの復元制作は、海外で報道される程とても大きなインパクトがあり、これによりデータさえ残されていれば失われたものを復元できることを証明することにもなった。そして、この活動は2016年G7伊勢志摩サミットでも紹介され、テロリズムによる文化財破壊の無意味さを提唱する一助となっていった。
また、破壊以前には体感できたであろう大仏の頭頂から眺める現地の景色を撮影した4K映像を、再現した仏龕前の巨大スクリーンに映し、その壮大な景観を眺めながら在りし日の天井壁画を体感できる臨場空間をつくり出した。