アフガニスタン ゼウス神像
StatueofZeus(godofwar),Afghanistan
紀元前3世紀頃のものとされるゼウス神像左足断片は、アフガニスタン北部のアイ•ハヌム遺跡の中心部に位置する神殿跡で発見された。«ゼウス神像の復元»は、この遺物をもとに近接した時代の類似作例を参照し、像の失われた部分を想像力によってよみがえらせたスーパークローン文化財だ。
「ゼウス神像左足断片」が履いているサンダルの甲バンドに刻まれた雷霆(稲妻文)がゼウス神を象徴する武器であること、また発見された神殿跡に残された礎石と祭壇の跡から推測される神殿の建築様式も、ゼウス神を祀る神殿の類例と合致するものであったことから、ゼウス神を表した彫刻の断片であると推測した。
復元にあたってはまずこの像が保管されている平山郁夫シルクロード美術館にて3Dスキャンを行い、取得した正確な3Dデータからクローン文化財を制作。さらにペルガモンのゼウス大祭壇が収蔵されているドイツのペルガモン博物館と新博物館、パルテノン神殿のふもとにあるギリシャのアテネ国立考古学博物館にて撮影調査を行い、「ゼウス神像左足断片」 から彫刻全体の大きさ、姿勢、装束などの具体的な意匠とともにその威厳のある佇まいを構想するための参考資料とした。
